円形焦点

逆張りし続けるとこうなる

29歳11ヶ月、この間5年付き合った婚約者と破談になった男が旅をした結果②

無鉄砲なロードトリップも誕生日まで残り12日。

11月23日の深夜25時に徳島の友人宅に到着した。

 

突然の連絡にも関わらず快く迎え入れてくれて、結局俺は徳島に3泊もしてしまった。

甘えさせてくれてありがとう。

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彼とともに巡る徳島は、俺が育ってきた景色にはない地形、勾配、文化、人の時間のながれがあった。

 

特に彼が紹介してくれた徳島に移住してきた中卒を自称する25歳の、なんだか知性があり、かつ粗暴な感じの喋り方の青年との出会いはすごかった。

 

アーティストのパートナーと徳島の古民家を独創的に改装し、まるで天国みたいだった。

徳島の食材で鍋を振る舞ってくれ、酒抜きで人と話してみんなで食べるご飯はこんなに美味いのか!犬もなんだか昔飼っていた犬に似ていて、聞いたら名前が一緒だったんだ。

びっくりしたよ、お前ここに生まれ変わってたんか、ってちょっと泣いた。

 

この日が、この旅の本当の始まりだったように思う。

この日までの俺は、ちょっと車で観光地をめぐってヘラヘラ動画とってバズりて〜なんて考えてるだけだった自分が急に恥ずかしくなっちゃってさ。

 

「俺、カメックスに進化した気分のカメールだったわwww」なんて言っちゃってたよ。

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マジゼニガメだなコイツ。

 

 

徳島を出てからはまずは高知へ渓谷を抜けていく。

東北と違ってこっちの山は小さくて傾斜が凄いから、まるで別世界にきたようだぜ〜!サンキュー徳島〜!なんて叫びながら奥田民生を爆音でカラオケしながらひたすら峠道を走っていった。

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高知県の道の駅やすなんて看板があったから、おいおいずんのやすじゃねぇんだからよ〜〜!とか言いながらその日はそこで寝床に決めて、Googleマップにガイドしてもらって行くと、そこは夜須という土地のビーチだった。

 

11月24日の高知の夜は、雲ひとつないとは言えないけれど、星を見るには十分の空だった。

この頃にはだいたい20時か21時には道の駅について、酒を飲んだり、フラフラ散歩して、23時には寝ている。そんなルーティンのたびが板についてきていた。

ましてや友達宅に泊まったあとにすぐこんな動きをしてるもんだから、そりゃもう慣れたもんだぜ!なんて気分だったよ。

 

7時半に目が覚めて、トイレまで散歩したあとGoogleマップで美術館を検索した。

すっと出てきた地図の中に、南国市という地名を発見。

夜中に看板だけみて通り過ぎたから、ほんとに南国かな〜〜?とかいって笑ってたのでそちら方面の白木谷国際現代美術館にいくことに決めた。

 

開館が10時だったので、もう一眠りしたあとに朝飯を地元のカフェで済ませて、近くの古墳を見に行ったあと、それから美術館にむかった。

すっかり文化人気分だった。

 

白木谷国際現代美術館は、衝撃の場所だった。

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芸術家本人が本人の作品や彼を取り巻く作家、コレクションを展示していたが、特に印象的だったのは前半のインスタレーションのような空間づくりだった。

まぁ、そういうテーマの作品だったのもあってまるでもう一度生まれたような気分になっちゃって、そのときに一番強く旅が本当に始まったのを自覚した。

あと、この時に今回の旅の各所で見て来た原子力災害伝承館や秋田の老ジャズ喫茶を見てきて、我々人間の命に限りがあることを強く意識した。

 

あの日がちょうどアクセル踏み初めて時速10キロくらいの旅レベルだった。

実際、これがあと9日で来る誕生日までに時速140キロに加速していく。

 

いやホント、ぶっ飛ばしたよ。